月刊正論2017年2月号
[特別対談]
歴史問題はなぜ置き去りにされているのか
評論家 西尾幹二 × 京都大学名誉教授 中西輝政
http://potato.2ch.net/test/read.cgi/asia/1482833700/41-42n
 【西尾】 そこで、今度、安倍さんにあえて聞きたいのは、なんで北岡伸一氏を、戦後70年談話の有識者会議の座長代理、
実質的な代表にしたのかということです。
 【中西】 北岡人事は途中で差し替えられたようです。当初は別の方だったのが北岡氏に差し替わった。最近分かってきた
のは、在日米国大使館と外務省の意向だったという話ですね。しかも2015年2月の発足時から、「70年談話」だけでなく、慰安婦
をめぐる日韓合意、オバマ大統領の広島訪問、安倍首相の真珠湾訪問が全部セットで計画されていたのではないかという話も、
永田町関係者や複数の大手メディアの人たちから聞きました。
 【西尾】 すべてがアメリカのシナリオ通りですね。
 【中西】 ちなみに北岡氏はいつも、日本の侵略を認めない歴史家はいない、と言います。で、例えば西尾先生の名前を挙げ
たら「西尾氏は歴史家ではない」というんです。これでは議論にならない。問題はそのように誰が見ても問題の多い北岡伸一と
いう学者出身の外務省関係者を、なぜ安倍政権が繰り返し起用するのか。第一次安倍政権の「日中歴史共同研究」で日本側の
座長、第二次政権でも安保法制を決めた「安保法制懇」の座長代理つまり実質的座長も彼。防衛大綱を決める中期防も彼が
座長だった。そして「70年談話」の有識者会議も実質的座長だった。
 【西尾】 アメリカが合意している日本の選ばれた知識人なんだよね、きっと。
 【中西】 日本の知識人としては「安保右派かつ歴史左派」でないとアメリカは認めないんです。安保右派とは、日米同盟の
緊密化を唱える論者。歴史左派とは、戦前の日本は侵略国家だったと断言する東京裁判史観を信奉する人たち。この両方に
合致しないと、日本の政治家や学者はワシントンの官僚たちのお眼鏡にはかなわない。
 【西尾】 うまい定義の仕方だな。でも、結局はアメリカに操られる人ってことですよね。