暗示は、暗示者が被暗示者に対して、なにかの意味で大きな権威や威光を
もっているときにおこりやすい。このような効果を計画的に利用する暗示を
威光暗示という。その道の専門家、集団の指導者、多数者の一致した言動などは
威光をもちやすい。また、危機的な場面や状況、群集の中に巻き込まれたような
場合などは、暗示にかかりやすい。暗示に対するかかりやすさ(被暗示性)は、
男性より女性、大人より子供、知能の高い者より低い者のほうが大きいと
みられることもあるが、いろいろな条件によって左右されるから一概には
いえない。ある種のアルコール中毒、神経症傾向、統合失調症(精神分裂病)
などでは、被暗示性の増大がみられる。また、他人の暗示に抵抗して、反対の
反応をする対抗被暗示性を示す者もいる。