深層リポート
 幻となった日ロエネルギー連合 ロシア資源投資の光と影
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 今年はロシア革命から100年に当たる。同国が資金や技術を持つ外国資本を導入するときの対応には、
革命以降、変わることのない共通点がある。
 第一に、外国資本や技術の導入は、経済的困窮のときや自国に技術力がない時期に行っていることだ。
    (中略)
 第二に、「適当な時期に(外国資本を)追い出せ」というレーニンの遺訓が、今も生きていることだ。
    (中略)
 事例を探すのは何ら難しいことではない。日本が当事者となった事例の一つは、戦前日本が唯一権益を
持ち石油生産を行っていた「北樺太油田」である。25年に締結された同油田の利権契約の期間は45年間で、
70年まで有効であったはずだが、ロシア人労働者の待遇改善という要求に名を借りた数々の圧力で事実上
生産停止に追い込まれた。そして日ソ中立条約締結(41年9の見返りとして北樺太油田の返還を求められ、
44年に同油田の利権を失うこととなった。
 もう一つの例は「サハリン2」だ。
    (中略)
 そして案の定というべきか、民営化の名の下で今回売却されたロスネフチ株をしかるべきときに買い戻す
自社株買いの議論が、早くも政府内部で行われていたとの報道が出ている。役員派遣を求めないグレンコア
とQIAを売却先としたのも、将来の買い戻しをスムーズに進めるためではないか。
    (中略)
「経済協力は領土問題など2国間の懸案事項の解決につながる呼び水となる」という政府の掛け声に従う
よりも、過去の教訓に目を向け、事業として採算に合うか見定めるwait & see≠フ方針で臨むべきでは
ないだろうか。