平成16年度重要事項調査:参議院
http://www.sangiin.go.jp/japanese/kokusai_kankei/jyuyoujikou/h16/h161houkoku.html
2 セドリック・フー国防担当国務相との会談

 まず、田村団長から「アジアの一員である日本として、有事法制の先進国であるシンガポールから有事・緊急事態対処体制、
民間防衛制度について学びたい。」旨訪問の趣旨を述べた。
 国務相からは「シンガポールと日本は米国の安全保障の下、戦略的に共通の利益を有している。テロ、大量破壊兵器の拡散は
死活的に重要な問題である。多数の船舶が航行しているマラッカ海峡における安全航行、テロ・海賊対策は重要な課題である。
コンテナについて安全対策を講ずる必要がある。シンガポールは、スイス、スウェーデンに二十年前からトータルディフェンス
の考え方を学んでいる。その理由は、大規模な正規軍を保有していないこと、心理面の防衛が重要であることが挙げられる。
トータルディフェンスは、国軍の存在、外交の展開、民間防衛、経済的基盤、多民族国家としての地域社会の調和、
心理的基盤の強靭性という要素から成っている。人種間の誤解と不信の除去が重要である。」旨の発言がなされた。
 派遣議員からの「シンガポールに対する脅威に係る認識、他国との安全保障上の枠組み」についての質問に、
国務相から「シンガポールは恒久的な敵もいないし、恒久的な友人もいない。シンガポールは特定国との同盟はないが、
共同訓練は米国、フランス、オーストラリア、ニュージーランド等と実施している。」旨回答がなされた。
また、国務相から、自衛隊艦船・航空機の寄港に対するシンガポールの支援の継続について言及があり、
田村団長から、シンガポールの支援に対する謝辞と今後の更なる支援について発言がなされた。