レオーネの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」で、デ・ニーロに次ぐ重要な役を
担っていたジェームズ・ウッズが、ほとんど台詞もないケチなヒモ役を演じていたのが
気になった。デ・ニーロの妻になったシャロン・ストーンを裏から操って何かやらかす
ものと思って観ていたのに全然活躍しないんだものなあ。
デ・ニーロも「グッドフェローズ」のときの得体の知れない怖さ、たとえばロレイン・ブラッコ
にドレスを持ってけ、と言って路地裏に行かせようとする、ロレインは怖くなって逃げるが
入っていったらどうなっていたのか、何とも本音のわからない怖さがあったのだが、
「カジノ」でのデ・ニーロにはそうしたところがないし、ストーンが下手でふたりの芝居が
ぶつありあうところがないので、演技面でみるべきところがない。
ジョー・ペシは「グッドフェローズ」でのキャラクターのバリエーションでしかないし、
時代背景を説明するのに既成曲を垂れ流しまくる相変わらずの手法も食傷気味。
「タクシードライバー」のバーナード・ハーマンの音楽は素晴らしかったのに。