奴隷として連れてこられた黒人やネイティヴで迫害されたインディアンを除き
アメリカ社会のヒエラルキーは入植順に序列が決まっている。
多人種が入り混じったアメリカの歴史は、新しくやってきた移民が先住移民からいびられるという連鎖の歴史。
植民時代のイギリス系から始まり、旧移民時代のアイルランド系、北欧系、ドイツ系が続く。
その後がイタリアなどの南欧系、そしてロシア系だ。
貧困から逃れてきた新しい民族たちは根を下ろすことが目的であり、アメリカの末端で同化する為にとしてブルーカラー労働力につく。

それがつまり、一般のアメリカ人とは溶け込めずにロシア系コミュニティをつくり生活する人々の姿。
田舎の製鉄所でブルーカラーの労働者として生活する人々の姿。
この映画でマイノリティだというメッセージが感じられなくて普通のアメリカ人と思ったのなら、それはそれでしょうがない。
それでも本人が面白い映画だと思っているのなら誰も文句はないだろうけど、受信状態が悪いのを棚に上げて
「この映画はロシア系アメリカ人をマイノリティとして描いていない」というのは発信者チミノに失礼だと思う。