まさしく、そうなのでしょう。あそこに注目しなかったら、あれだけ愛し合って
いたのに、案外あっけなく、母親の勧めどおりの裕福な相手に鞍替えしてしまった
ようにも見えてしまうので、あの手紙のシーンは非常に重要な転換点を示していた
と思います。普通なら2年くらいは、まして、子供も出来ているのに待てなかった
のかと考えてしまうところですが、何か不吉な永遠の不在の感覚が彼女にゆるやかな
諦観の気持ちと、新しい人生と向き合う決心を起こさせたのでしょう。後にギイが、
ジュヌビエーブからの手紙が変化したことも言っていましたね。

そうして、純白の結婚衣装の幻想的シーンから教会に続き、その時の分厚いオルガンの
音が、容赦ない運命と絶対的な時の流れを示しているようで、鳥肌が立ちました。