無人島に漂着した主人公は社会からは行方不明に
なったけれど、自分では帰るべき場所が明確に分
かっており、その意味で本人にとっては行方不明
でもなんでもない。
ところが、文明社会に帰ってきてきると、奥さん
は別の男と再婚してるし、生き甲斐にしてた仕事
も実は無意味なものだということがわかったし、
いったい自分はこれから何処に行けばいいんだ。
「俺は無人島ではなく、この大都会のただ中で行方
不明になっちまった」というアイロニーを表現して
いるのですよ。