捨てたか追放されたかは主観の問題だけどさ、少なくとも当時のアメリカ国民の多くが暫くは
バーグマンを許さなかった。
ハリウッドの人たちは別にそんなでもなかった。あそこは不倫だの自由恋愛だのは日常のこと
だったから。
当時は凍結ドルを使ってイタリアで撮るハリウッド映画が多かったけど、そんな俳優や監督は
よくバーグマンを訪ねていったり現場へ招いたりしてたし、彼らはバーグマンとの共演や、
自作への起用を企画したりしてた。でも映画会社が上記の理由で
OK出さなかったんだよ。
で、20世紀フォックスが思い切って「追想」に起用(撮影はロンドン。ハリウッドでの撮影は、
なんと「サボテンの花」がハリウッド復帰後第一作)してみたら興業は当たったから、
この辺りで漸く一般的なアメリカ国民はバーグマンの映画を許容したといえるのだけど、
彼女自身のアメリカ入国はまだ拒否反応が根強くて、オスカー受賞式にも出席できなかった。