>>648
>指導者の思想の本質と、現場の残酷さがどうしてもつながらない
それは指導者の思想の本質を理解していない証拠だよ。以下では映画の話ではなく、一般論を語る。

ある思想、とりわけ政治的な思想というものは、その思想の味方につくか、それとも敵方につくかの
選択を個々の人間に強いる。組織の内側と外側をはっきり分けるためだ。生物学的に言えば、細胞と
同じだね。細胞膜によって内側と外側が規定されている。細胞膜が破れて修復できなくなれば、それ
はもう細胞とは呼べない。したがってあらゆる組織は、細胞膜を維持するためなら何でもやるのだ。
諸君が日常的に目にする、あるいは所属する組織は、ぬるま湯で危機感が薄い集団なのかもしれない。
だが、どんな組織であろうと、ぎりぎりまで追い詰められれば成員に圧力をかける。組織を防衛する
局面においては、個人の生命など何ほどの価値もない。ISはそこまで行った。あれが組織の真の姿だ。

思想というのは本来的に残酷なものである。たとえ指導者が100%の善意に基づいていたとしても、
組織自体が存続を望むとすれば、100%の善意に基づくわけにはいかない。指導者の意思は関係ない。

思想は残酷なものではないときみが考えているとすれば、それはある種の思想に洗脳されている証拠
に他ならない。思想の本質と現場の残酷さとを切り離して考えてもらう方が好都合な組織が行う洗脳
の、だ。その考え方をどこで誰に教え込まれたのか、よく思い出してみるがいい。もしも自分自身で
考え出したのだとするなら、きみは確固とした思想を備えた指導者になれる素質があると断言しよう。