スウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、2038年のノーベル医学・生理学賞を、
微生物から感冒(風邪)のウィルスを死滅させるタンパク質を発見し、
感冒の特効薬「ボルボーボ」の開発につなげた京都大特別教授の米谷奈々未(よねたに・ななみ)氏(38)に授与すると発表した。
ウィスルそのものを死滅させる新しい療法を確立し、感冒治療に新たな道を開いた功績が評価された。

日本人のノーベル賞受賞は2年ぶりで37人目。医学・生理学賞は本庶佑(ほんじょ・たすく)氏に続き6人目。
現在の風邪薬は、発症した感冒に対し症状を緩和するタイプの薬が大半を占める。
これに対し米谷氏は、ウィスルそのものを死滅させて治療する全く新しいメカニズムの薬を開発した。

米谷氏は2018年、学業に専念するために「欅坂46」というアイドルグループを卒業すると発表。
その後ボルボックス(オオヒゲマワリ)と呼ばれる微生物研究の第一人者と知られ、
ボルボックスが感冒ウィルスを死滅させる働きがあることを突き止めた。

授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金計1000万スウェーデンクローナ(約1億5000万円)が贈られる。