130本映画見てる人にも誉められてる

総合評価:★★★★★

素晴らしかった! 今年180本以上見てるけど、邦画で最高かもしれない。

私はアイドルには全く疎いので、主演の平手友梨奈が欅坂46だというのも知らなかった。だから今回「女優」として見たのが初めてなのだが、小松菜奈とか剛力彩芽とかが出てきた時とは全く違う衝撃を受けた。平手友梨奈、素晴らしい女優が現れた!

ずば抜けた文学的才能を持つ一方で、何をやるかわからない「鮎喰響」というキャラクターを、演じているというより、憑依しているというより、一体化しているような、怖いほどの自然な演技でスクリーンの上に表現している。

月川翔監督曰く、最初はホン読みの声が聞こえないほど小さかった平手友梨奈が、「響」について監督と納得の行くまで話し、脚本を直していく中で、突然、いつのまにか「響」としての平手友梨奈がそこにいたのだという。

乱暴を振るったり、キツイ言葉を言ったりはするが、決して嘘をつかない「響」というキャラクターは、どうしても空気を読んじゃう我々の心にスカッとした風を吹かせてくれる。

アヤカ・ウィルソンが見られたのもすっごくうれしかった! 「パコと魔法の絵本」で見た時に、この子は美人さんになってきっと帰ってくると期待していたので、あれから10年経って予想通りの成長が本当にうれしい。

月川翔監督の作品は「君の膵臓〜」以外見ていないけど、この作品は全てが完璧! キャスティングも完璧! 作品の空気感に一分の隙もない。原作は未読だから原作ファンがどうツッコムのかは知らないけど、映画として完成度は抜群に高い!

予測不能な「響」の行動にドキドキして、巻き起こる「響」旋風にいっしょに振り回される2時間。最高に楽しい時間だった。

今年最高の邦画の一本。平手友梨奈が何者か知らない私が、女優「平手友梨奈」の登場に驚嘆した。彼女のファン以外の映画ファンに全力でオススメします!



*大人としての「芥川賞」「直木賞」考察
「芥川賞」は基本的に私小説。我が身を削るような難解な作品が主流だったが、昨今は話題優先なので響のノミネートの可能性はあるかも。逆に「直木賞」は、実質人気作家の持ち回り。こっちの方は可能性ゼロでしょう。リアリティとしては、ね。

*「響」は天才と呼ばれるけど、最後までその「文章」は顔を出さない。見るものの創造に委ねられるわけだ。この手法は、最後まで歌わなかった「BECK」と共通するものを感じた。

*今日は書けない解禁前の情報もあり。公開初日に解禁になるそうなので、楽しみに待て!