CMのロングバージョンで平手は「大人が作った世界に従うの?」と、街の人波から逆走し、道を外し、森を抜け、叫びながら草原へと駆け出す。
今までのソロの楽曲が一つのストーリーだとすると、まるで大人のルールに従っていた少女が、ついにそこから脱し、自由へと走り出す姿を具現化しているようだ。

 欅坂46というグループは、かつての映画にあったスターシステムのように、平手という主人公が固定され、それに合わせて毎回ストーリーが変わっていく。
欅坂が映画だとすると、平手のソロは、物語の中の主人公ではなく、それを演じている女優・平手友梨奈個人の魅力が詰まっている。だからこそ、欅坂の中でアイドルの概念を覆していく平手は、実はソロ曲にこそアイドルとしての可能性を秘めているのではないだろうか。