1,右腸骨がPIしたとする。

2,仙骨底が右下がりとなる。
理由
@ 右腸骨PIによって、大腿骨頭が上方に引き上げられる。
A 右腸骨PIによって、相対的に仙骨右側がAIすることになる。
B 右腸骨PIによって、右仙腸靭帯が弛緩するため。

3,L5がPLする。
理由
@ 右腸骨PIによって、右腸腰靭帯が緊張しL4,5右横突起が後方に引かれる。
A 仙骨底が右下がりによって、水平線と隙間が出来る。基底面を水平位に保持しようとするためにL5椎体の前面が厚く、後面が薄い構造をその隙間にあてがうようにPL変位する。
B 仙骨底が右下がりによって、脊柱は右に倒れようとする。人間は両目を水平位に保とうとするので、左腰方形筋を収縮させる。これは腰椎の逆 C側弯を形成し、
腰椎の側屈と共に凹側へ棘突起が回旋する構造からPLが発生する。

4,脊柱はS字となる。
理由
脊柱の生理的弯曲を全体的にPLさせるとS字となる。これはL5PLからのカップリング効果とともに発生する。

患者を伏臥位の状態で両下肢の長短を検査。この検査を「ディアフィールド・テスト」と言う。ディアフィールド博士が患者の施術中にいったん席をはずし、
戻ってみると患者の下肢の長さが変わっていたのを発見して、これを検査法として確立していった。このテストはカイロプラクティックの検査法としてはあまりにも有名。
この下肢の長短も「どこを指標とするか」が問題になるが、内果を指標とするのが一番正確だ、と言われているが、トムソンテクニックの教科書では、シューズを履かせて、
「かかと」で検査する。アクチベーターメゾットも同様に、検査用の靴を販売しているが高価である。

結論として指標とする点は
足関節、膝関節、股関節に疾患が無く、更に骨折の既往歴がなければ、「かかと」を取る。屈曲ー外反させて緩みを取ってから長短の検査を行う。
ヒールテンションも見る事が出来るし、骨盤や股関節、大腰筋、梨状筋の緊張も同時に診る事が出来る。

伏臥位膝関節伸展位の状態で両下肢の長短を検査

この伏臥位の状態で、右足が短い。

更に伏臥位のまま膝関節屈曲位で 短かったはずの右足が左と同じ長さに揃うまたは長くなる

この状態をR+と言う。左右逆の状態はL+。

つまり、プラス(+)のリスティングは「短かった足が、屈曲させると長くなる。」と覚える。
解剖学的説明があまり無いのがトムソンテクニックだが、NCではこのディアフィールド・テスト(D.T)の説明が出来る。
R+のリスティングで伏臥位膝関節伸展位の時、右足がショートするのは右腸骨のPIによるもの。そして伏臥位膝関節屈曲位の時、
右足が揃ったり、長くなったりするのは本来の足の長さは元々同じか、右足が先天的に長かった為で、膝を曲げることによって下肢の長短に、骨盤の変位による影響を受けないから。(下腿の長さしか比較できないけど....)
骨盤の変位が無くても、大腿骨の長さが先天的に違っていればリスティングにプラス(+)と出てしまう。つまり、このD.Tのみでプラス(+)リスティングと判断してしまうと
・腸骨のPI変位があるのか?
・ 左右の大腿骨長短に器質的な差があるのか?
判断できない。やはり、骨盤そのものの触診(静的、動的)が必要となる。


2,スタティック・パルペーション(静的触診法)
指で触診しながら歪みを確認する方法。関節の可動性等は無視し、静的な状態でどのような歪みが発生しているかを触診のみで検査する方法。
R+は
1,脊柱がS字側弯
2,骨盤は右腸骨がPI、仙骨尖が左に振っている。
3,L5がPL
の様相を示すので、これらについて触診する。
まず脊柱に、術者の右手(効き目が右の場合)第3指が棘突起に当たるようにして手掌全体でトレース。TH1から仙骨尖までのトレースを2,3回繰り返す。
1回目のトレースは軽く身体の流れを診る(全体的なねじれ、生理的な弯曲の状態などを診る)様に「サッ」と行い、2回目のトレースは第1指が左の横突起、
第4指が右の横突起に感じられるようにして椎骨のローテーションを診る。3回目は棘突起間の開きや狭小、椎骨の側屈など細かい状態を診て行く。
次に骨盤の触診。両ASISから腸骨稜にかけて第2,3指を中心に触診する。そのままPSISまで触診し両腸骨の状態がどのようになっているのかを診る。この時必ず左右差を比べる。