>>333の続き

イスラムの教えは、人間の本質に基づいています。その本質は、全ての人間が平等に持つ
ものです。そのため、人々は本能的に、神、正義、美しさ、自由、永遠性を求めます。しかし、
時に、社会の政治的、経済的な状況や変化、あるいは無知や罪により、そうした本能的な
叫びから離れ、それを見逃してしまうことがあります。神の預言者たち、宗教の指導者たちの
最大の使命は、人間の清らかな本能の叫びへの注意を喚起し、忘れられてしまった神の
恩恵を、人間に認識させることです。

イマームホサインの最大の任務も、人々がおのずと惹かれる正しさや善良さ、人間としての
美徳へと導くことでした。彼は、この目的を遂げる上で横たわる障害を取り除こうと努めました。
そして、その最大の障害となったのが、ウマイヤ朝の圧制者による統治でした。それは人々が
本能的な叫びに応じる機会を妨げていました。そのため、ウマイヤ朝の統治時代、人々は、
真理や自由、正義や道徳からかけ離れてしまっていました。実際、人々は、圧制や腐敗に
傾き、宗教的な価値観や人間性から離れ、自己を喪失していたのです。

このとき、イマームホサインは、人々を、人間の崇高な価値観や宗教の純粋な教えへと回帰
させるために立ち上がりました。そのため、イマームホサインの闘争は、世界的な側面を
帯びており、全ての人類に関係するものです。インド独立の父、マハトマ・ガンジーは、イギリスの
植民地主義者に対する自らの闘争を、イマームホサインのアーシュラーの蜂起の影響を受けた
ものだとしました。また、ドイツの作家、フリッシャーをはじめとする世界の多くの公平な学者たちは、
イマームホサインの優れた人格と精神の偉大さについて、記しています。なぜならイマーム
ホサインの蜂起は、人間としての純粋な価値観への回帰、意識の覚醒のためのものであった
からです。この叫びは全ての人に共通する永遠のものなのです。