日本経済新聞2010,4,18、日曜日、21面の書評。
『ルカーチ入門−マルクス・ルネッサンス−』
石塚省二著、いなほ書房刊  

 
ルカーチ入門

石塚省二著

 「疎外論」などのマルクス主義者として知られるハンガリー出身の
ルカーチは、実は青年時代、ニーチェやイプセンなどに傾倒していた。
「公開講座『ルカーチの存在論』」などを20年間続けてきた著者が、
ルカーチの生涯と思想を紹介するだけでなく、ハイデガーら20世紀の
存在論、現象学の展開の中にルカーチを位置付けて思想的意味の解明
を試みる。東欧の社会学の中でルカーチを考える視点もユニークだ。
(いなほ書房・2000円)