今回のISISの侵攻は、ソ連が撤退した後にアフガニスタンでタリバンが
権力を握った経過を思い起こさせる。
ソ連が撤退した権力の空白の時期に、アフガニスタンの各部族が内戦を始め、
国内が混乱し、そこへ厳格なイスラム法の執行をすることで治安を回復した
タリバンが、一定の支持を得て権力を掌握できた。

今のイラクも宗派対立でテロが横行し、シリア内戦の影響で国内が混乱し、
そこに原理主義者が入り込む空白が生じている。

アフガニスタンとイラクの大きな違いは、
イラクの場合は、国民が少なとも選挙を経験し、民主主義の萌芽が芽生えたこと、
石油資源がありアフガニスタンより所得水準が高いこと、国民の教育水準が高いこと。
(アフガニスタンの識字率:4割、イラクの識字率:8割)

原理主義者(ISIS)がバグダッドを制圧したとしても、
長期的に権力を掌握するのは難しいだろう。