イラク戦闘終結宣言から1年、米大統領苦境に (長文・部分)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040501-00000011-yom-int

NYで米兵やイラク人の犠牲者数と戦費を書いたひつぎを示し、ブッシュ政権の
政策を批判するデモ参加者=今利幸撮影
 
 【ワシントン=菱沼隆雄】「使命達成」の横断幕を背に、ブッシュ米大統領が
米空母艦上でイラクでの主要な戦闘の終結を華々しく宣言してから1日で1年が
経過した。

 イラク情勢は、ブッシュ政権の当初の見通しを大きく裏切る形で一向に改善せず、
批判の矛先は「戦後計画の立案の甘さ」だけでなく、「ブッシュ・ドクトリン」など外交
政策の根本にも及び、再選を目指すブッシュ大統領を苦しい立場に追い込んでいる。

 ブッシュ大統領は1日、恒例のラジオ演説で、「我々は深刻で継続的な挑戦に直面
している」とイラクでの武装勢力との戦闘の厳しさを説明。6月30日までに予定されて
いるイラク人への主権移譲が近づくにつれ、「自由に反対する勢力からの、より強い
抵抗を目にするだろう」としながらも、「イラクでの民主化の失敗はテロリストを勢いづかせ、
米国への危険を増し、中東の希望を消し去ることになる」と訴え、イラク復興に今後も
全力を傾ける姿勢を示した。

 ただ、戦闘や襲撃による米兵の死者は4月だけで約130人。昨年3、4月の主要な
戦闘期間中の戦死者115人を1か月で大きく上回っており、戦後統治の難航ぶりを
物語っている。