>>116 続き
印刷途中の年賀状を放り投げ、洗濯物も投げ入れ、慌てて帰宅しました。
と言っても、片道4時間かかるので、電車の中では「まさか・・まさか・・死ぬはずがない。。」と騒いでる人達を見ながら、人事のように思ってました。

駆けつけた時には、今まで見た事もない形相で白目をむき喘いでる父の姿。
一昨日まで「氷が食べたい。買ってきて。リンゴジュースなら飲めそうかも」と
アレコレ私に頼んでいたのに・・

一人娘で私が嫌がるくらい、バカ親丸出しで可愛がってきてくれた父が、
私の呼びかけには全く答えない・・・
母が「今朝からずっとこの調子なのよ・・」と言っていました。

私が「パパ!パパ!どうしたの?何で?」何度も何度も呼びかけてたら
目の焦点が合ってきたのです。

そして、私が泣きながら「ごめんね!ごめんね!何も出来ないでごめんね!」と言うと、首を振ったのです。

看護婦さんに「苦しそうなんですけど・・痛そうなんですけど・・痛いんですかね??痛み止め打ってもらえないですか?・・」と点滴の痛み止めを打ってもらいました。

「強いのでね。。すぐに効くはずです・・」と言われましたが、2時間経っても効き目がないようで、ずっと苦しそうでした。
ずっと手を握り締めながら、病気の父の兄弟に父の様子を送ろうと、携帯のビデオをまわしまし「私が来てからずっとこんな調子です」とメールを送りました。

私が到着して5時間後。。
痛み止めが効いてきたのか「喘いでいた声が静かになった・・」と思ったら、今まで胸が激しく上下に動いていたのに全く動いてないのです。

「エ!!?」と思うと、また大きく息をして「ハァーーーーー」と息をしたのですが、その後また止まりました。

母と顔を見合わせて、慌ててナースを呼びに行こうと立ち上がった瞬間に、ナースと当直医がバタバタと心電図を運び込んできました。

心電図を始めて見たので、どこを見たらいいのか分かりませんでしたが、ハートマークが0になっていました。
それを見ても「まだ繋げてないのよね?これから取り付けるんだよね?」と思っていましたが、先生が「最後まで頑張りましたが・・」と時間を告げました。

日付が替わった12時45分でした。
携帯のムービーを撮ったのが12時30分くらいでした。

未だにその携帯ムービーを見る事が出来ませんが、毎日毎日病院へ通い、
何度も吐いたりして落胆してる父の顔を見たり、年末年始の話をする父や、
毎晩毎晩「今夜病院から電話がなるんじゃないか」とか思ってた頃よりは
苦しみから解放されたんだよね。。と、気持ちがホッとしてます。

後悔するのは孫を見せてあげられなかった事でした。