マンスリーマンション入居者には 「NHK受信料の支払い義務なし」 東京地裁 NHKに受信料返還命じる

いわゆる「マンスリーマンション」に入居した20代の男性が、NHKに受信料を不当に支払わされたとして、NHKに
受信料1310円の返還を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であった。佐久間健吉裁判長は「部屋にテレビを
設置したのは物件のオーナーか運営会社であり、男性には受信料の支払い義務はなかった」として、NHKに1310円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は平成27年10月19日、勤務先の指定で、兵庫県内のマンスリーマンションに入居。約10日後、NHK関連会社の職員が
マンションを訪れ、「受信契約を結ぶ義務がある」と説明した。男性は受信契約を結び、2カ月の受信料2620円を支払った。男性は11月20日に退去。
後にNHKは男性に1カ月分の受信料1310円を返還したが、男性は「自分がテレビを設置したわけではないのに、不当に受信契約を結ばされ、
受信料を支払わされた」として、残る1カ月分の受信料の返還を求めて提訴していた。

 NHK側は「マンションの運営業者は『受信料は入居者が負担する』と明示していたほか、テレビを使っていたのは男性で、受信契約を結ぶ
義務があった」と主張していた。

 しかし判決は、「受信料とはNHKの放送を視聴する対価ではなく、公共的なNHK放送を維持するために、テレビを設置した者に対して公平に
負担を課すものだ。NHKが視聴の対価として受信料を理解しているとすれば間違いだ。テレビ設置者を問題にせず、テレビの使用者を問題にしている点も失当だ」と述べた。

 男性を支援してきた元NHK職員で、「NHKから国民を守る党」の立花孝志代表は「NHKが違法に受信契約を結んでいることを認めた判決で
評価できる。過去にマンスリーマンションに入居し、受信料を支払った人は取り戻せる可能性がある」と話した。

 NHKは「契約を締結する義務が居住者側にあることを2審でも引き続き訴える」と控訴する意向を示した。
http://www.sankei.com/affairs/news/161027/afr1610270024-n1.html