普通の発育の人なら、本来の意味での恋なんてものは遅くともせいぜい20代中盤で終える。
もし以降に恋のようなものがあるならば、それは単に寂しさを埋めるため、
若い頃の恋の記憶を思い出し、その快楽を焼き直そうとしているだけのことである。
四季になぞらえれば夏を遠に過ぎ枯れ始めた紅葉の秋に相当する中年にとって、
青春から初夏、盛夏のエネルギーが隆盛する時期はすでに過去のものだからである。
異論は認める。