「すべてお前の謀略だったのだな」
「バレたか」
ヒヒヒと笑うヨムジョン
「それがお前の欠点だな。なんでも人のせいにする。
ムンノを殺したのも反乱も陛下に刃向かったのも俺のせいか?
俺がやらなくてもお前はムンノを殺していたさ」
「黙れ!」
ピダムヨムジョンを締め上げる
「俺がやらなくてもお前は陛下を手に入れるために何でもした。違うか?」
「その口を閉じろ!」
「この10年、権力の掌握に努めたのはなんのためだ?ムンノに捨てられたから?ミシルの遺志をつぐため?俺にそそのかされたからだと言うのか?いや、違うな。お前の中に潜んでいたのさ。王となり、すべてを手に入れたい欲がな」
「それは…お前の思い違いだ…」
「あ〜、恋心か。お前が恋にのぼせてすべてがおかしくなった。俺はホンの少し軌道修正しただけさ」
ピダムの瞳からひとすじの涙
「もし恋が成就していたら、何かが変わっていたとでも?違うな、それでもお前は反乱を起こしたはずだ。不安だからさ。いつ陛下に捨てられるかと不安で、信じられないから」
ピダム、呆然としてヨムジョンを締め上げていた手を離す
「お前はそういうやつだ。人を信じられず、いつ自分が裏切られるか、
いつ捨てられるかと恐れている」
「やめろ!」
「ところで、お前は知ってるか?陛下はお前を、最後まで信じていた。信じられなかったのも、揺らいだのもお前だ。お前たちの恋を壊したのは、陛下でも俺でもない。それはお前だよ、ピダム」
ピダムがヨムジョンを切った
「俺は、そうじゃない。違う。そうじゃない…」