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中世ヨーロッパの雰囲気が漂う地方都市。
この国の王、ディアロス王は強大な武力により近隣の国々を蹂躙、
さらなる版図拡大をめざし遠征を続けていた。
一方、国に残された純白の王妃デメロは、ディアロスに目覚めさせられた
性の喜びを我慢できず、自らの息子・皇子メリアを褥（しとね）に迎えてしまう。
やがてそのことがディアロスの耳にも届き、激怒した王は皇子ともども
醜く下等な魔物たちが巣食うイカルヤン洞窟に幽閉する。
それから幾年月が過ぎ、国を統べる王も次々と代替わりしていった。
だが、イカルヤン洞窟でデメロは卑しい魔物たちの性を喰らって生き続けていた。
そして、デメロは「淫魔イカルヤンの魔物」となり、世に恢復（かいふく）を果たしたのである。
それから「淫魔イカルヤンの魔物」は町の娘を次々とさらい、淫獣に変えていった。
以降、淫魔と淫獣の侵攻は激しさを増し、
王都を中心に栄えた人類の文明は、今や細々と点在するに至る。