NASAがISS運用から手を引くという構想は、実行可能なのか?
http://spacenews.com/trump-wants-nasa-out-of-the-iss-operations-business-easier-said-than-done/

トランプ政権は、ISSの運用予算を2025年で打ち切る方針で、
NASAはその後の方針に関するレポートを議会に提出している。
実際のところ、どうなるのだろうか。

ISSは2024年までの品質は保証されている。
2010年前後に追加されたモジュールは2040年まで利用可能だ。
各ブロックを解体・切り離して運用することもできる。
最初からそういう設計だ。

NASAがレポートで強調しているのは、低軌道での有人活動の継続性だ。
ステーションが月や月周辺にしかなかったとしたら、どうなる?
年に1回でも行ければいいほうだ。我が国も協力国も、宇宙活動の持続性を喪失することになる。
低軌道での有人活動に継続性を持ち、かつリーダーシップを持たなければならない。
ISSは完成し、本領を発揮しはじめたところだ。まだまだ活躍できる。

ビゲローのBEAMモジュールは2年間の運用を終え、契約を更新して倉庫として使っている。
ISSの運用費の半分以上は物資や飛行士の輸送費用で、輸送費だけで17億ドルだ。

NASAはISSの運用を民間に手渡し、日常の運用を任せ、当局として最低限必要な管理のみ関わる、
という方針を考えているが、ではその莫大な維持費は民間が出すというのか?
NASAの活動や飛行士を送り込む場合などは当然、顧客として支払うつもりだ。
パートナー国家との間の協約も当然、遵守し、負担する。
ISSを運用する民間企業集合体に対し、新たな民間需要を生み出すための協力も惜しまない。
現在の宇宙輸送に関しては、供給が需要を上回っており、需要を掘り起こすことが大切なのだ。

NASAは何も、突然ISSから立ち去ろうとしているわけではない。
ISSの移行が行われた後も、密接にコミットしていくのは当然だ。


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2024年がひとつの区切りだが、果たして手を挙げる民間企業がいるのかねぇ?
例えばスペースXでは、BFSがそのまま、宇宙ステーションにもなるが。