それを承知しうえで、
液体水素が意外と有利な点は高純度製品が比較的容易に得られること
(と言うか、不純物をしっかり取り除かないと液化プロセスの支障になる)
LNG だと、メタンが主成分だけどエタン、プロパンが不純物として混じってしまう。
(硫黄化合物や2酸化炭素他の不純物は液化プロセスの支障になるので除去するし、
除去プロセスも比較的容易)。
メタンの純度を高くしようとするとそれなりに費用がかかる(産地を特定すれば多少は樂)。
ロケット用ケロシンは、(不飽和炭素や芳香族の除去で)費用がかかる。
じゃあ、ただ燃やすだけなのにどうして純度がいるかといえば、
炭化水素系の場合、再生冷却溝で重合してワックス状の物が生じるとか(ケロシン)、
煤が発生するとかの問題があるため。
煤についてはケロシンで燃料リッチな燃焼の場合は当然だけど、
LNG については純メタンだとかなり高温まで煤はでないがプロパンなどあるとより低い温度で煤がでる。
炭化水素系列でわざわざ酸素リッチなプリバーナーで2段燃焼サイクル
狙う理由の一つは、煤の発生を避けるためだろう。
ケロシン燃料リッチのプリバーナーでは煤の発生でガスジェネレーターサークルに限定されるし、
再使用する場合にはメンテナンスの手間が増える。
メタンを使えば燃料リッチのプリバーナーでも運転条件を制御すると
煤の発生は大きく抑えられる。
すると、Raptor エンジンは、Full-flow staged combustion だから、
かなり高純度なメタンが要求されるのかな?