>>518
ここからがITの真骨頂だ。抗がん剤を例にとれば、これまでに失敗した薬のタネががん細胞を十分に攻撃できなかった要因や副作用が出てしまった原因など
をスパコンやAIが推定する。
そしてNECが持つ検索技術や高速処理システムも生かし、失敗に至った原因を避けられるような
化学構造などを割り出す。この条件に沿ってスパコンが「推薦」してきた薬のタネを開発すれば、失敗品が新薬に生まれ変わる可能性がある。

かつて医薬品の開発は幸運な偶然の連続だった。抗生物質のペニシリンはシャーレに偶然飛び込んだアオカビから生まれた。
大正製薬の発毛剤「リアップ」の有効成分は、以前は高血圧の治療薬に使われていた。服用する患者から
「髪が増えてきた」などの声が上がり、発毛剤として改めて開発されたのだ。
現代ではスパコンの内部で、こんな「偶然」を引き起こすことが可能になった。動物実験を繰り返す
従来の手法とは桁違いのスピードと効率だ。今日もAIが膨大な薬のタネを分析し、新たな使い道を探している。

不老不死は近い。