助成金詐欺で社長逮捕のスパコン、連続世界一にも疑惑の目
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 ペジー関連のスパコンを自社で運用するヤフーのデータ部門技術トップの角田直行氏は「一般的な空冷式のスパコンに比べ、消費電力量を約3割減らせている」と語り、省エネ性能を評価した。

 ヤフーはスパコンで人工知能の処理を行い、自社コンテンツ「Yahoo!知恵袋」のウェブページの中で、優れた情報を含むものをユーザーの目に触れやすくするといったサービスの改善を行っている。
角田氏は「トラブル時の対応を含め、エクサスケーラーの仕事には満足している」として、立て直しを期待する。

研究開発費は増資で調達か

 ペジーはグループとして今後もスパコンの研究開発を続ける意向だ。
エクサスケーラーの鳥居淳CTOは、「スパコンの開発は数十人の技術陣が担ってきた。齊藤氏が抜けても十分な開発体制がある」と自信を見せる。だが、資金調達については守秘義務を理由にコメントしなかった。

 同社は文科省所管の研究機関から受けた融資52億円を返還。ペジーも、詐欺罪に問われた経産省所管の研究機関の助成金の関連で9億4000万円を返納した。

 ペジーは増資による資金調達もしてきたが、以前のように資金を集めるのは困難だ。米中との技術開発競争が激化する中、ペジーのつまずきが日本のスパコンの出遅れにつながらないようにするべきだろう。