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人生100年時代に時間は「投資」対象となる

 2017年のベストセラーの一つに『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』という本がある。今から約90年後の2107年には先進国では半数以上が100歳を超えるようになるという時代の生き方を示唆したものだ。

 そこでは、これまで80歳程度の平均寿命を前提に「教育」「仕事」「引退」の3段階で考えられてきたライフコースは抜本的に考え直されるべきで、「教育」「仕事」を複数回繰り返すような、リカレント教育(生涯教育)の重要性などが語られている。

 恐らく、リカレント教育のようなものは、近い将来当たり前になっていくだろう。だから、個人の観点では、どこの高校を出たかとか、最初に入った大学がどこか、などというのはあまり意味のないものになる。

 むしろ、「教育」「仕事」を一定期間置いて繰り返すよりは、日常の暇な時間自体を19世紀の英仏のブルジョワ階級の言うところの「個人の開花や、調和の取れた主体形成」、すなわち自己投資に使うのが主体になるかもしれない。