松尾先生によると早ければ2025年頃だってよ

AIが「真の意味理解」をして人と対話する日は来るか
〜モビルスが対話をテーマにしたシンポジウムを開催
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1150341.html
知能は認知運動系と記号処理系の2階建て。2025年頃には真の意味理解が可能なAIが登場?

 では本題の「対話AI」はできるのか。松尾氏は「そんなに単純な話ではない」と述べた。
人間が頭が良い理由は、人間だけが言葉を使うからだ。では言葉や数字などシンボルを操作できることが知能の根源なのか。

 言葉の意味理解、記号処理については、今までは「1階部分」がないまま「2階部分」の処理をしていたが、今回の深層学習の発展によって「1階部分」である認知運動系ができはじめたことにより、
今後は、本当の意味での言葉の意味処理ができるAIが登場する可能性があるし、これまでの延長では想像しづらい未来がやってくるのではないかと述べた。
これからどのくらい伸びるかはわからないが、「もしかすると5年から10年、そこまで達する可能性があるので非常に楽しみだ」と語った。

 コンピュータにとっての意味処理についても、ソシュールのシニフィエとシニフィアンの概念、「チューリングテスト」や「中国語の部屋」など、さまざまな議論があった。
松尾氏は改めて、現実世界に設地している「1階部分」を駆動しない「2階部分」だけでは意味を理解することはできないが、今後、身体性に基づいた意味理解を行なうAIが登場することで、逆に、我々の言語とはこういうものだったかとわかるようになるのではないかと述べた。

真の意味で言語を理解するAIが近い将来登場する可能性がある

記号処理系と認知運動処理系のリカレントニューラルネットワークの相互作用が意味理解の正体

 最後に松尾氏は、東大・松尾研発のベンチャー企業や、日本深層学習協会をアピールした。
対話AIに関しては「現状技術でもできることは多い。さらに今後は本当の意味で意味理解ができるAIができるだろうし、その上で起こるイノベーションはすごいものがあると思う」と述べて講演を締めくくった。

早ければ2025年ごろにも新しいAIが登場する