日本の生産性向上の切り札になる?注目AIベンダーが明かす自然言語処理の最先端 〜株式会社エーアイスクエア代表取締役 石田正樹氏インタビュー〜
https://www.shigotoba.net/expert_interview_1807_nipponnoseisansei.html
――徳島県で、議事録などに貴社のAI要約技術を導入しているそうですね。

徳島県では、たとえば知事が会見を開くと、音声認識技術で、知事が話したことがリアルタイムでテキスト化されていく。その脇で秘書官が音声認識の間違いをチェックし、会見終了後に修正します。
こうしてできた会見録をAIが読み込み、要約を作成します。どのセンテンスが重要かどうかはAIが自動的に判定します。
このシステムを導入した結果、会見録の作成時間は1/5に短縮され、情報発信までの時間も1/2に短縮されました。

ある著名な日本語処理の学者の方にも「自分が30年以上取り組んで、できなかったことができている」と評価していただきました。
もちろん、そのような人々の研究をベースとして、その上で最新の技術によって可能になったことです。

――音声認識の技術は、方言もカバーできるのですか。

私たちは、方言の中でもとくに難解と言われている「津軽弁」を聞き取ってテキスト化することに成功しています。
弘前大学病院で、高齢の患者が津軽弁で話すと、県外から来たドクターは理解することができず、病状が伝わらないという問題がありました。
一方、東北電力でもコールセンターに来た問い合わせに対して、スムーズに対応できずにいました。
そこで弘前大学と東北電力が方言について共同研究を行い、私たちが技術提供しました。
聞き取り率は今では90%くらいまできています。お金と時間をかければ、精度はちゃんと上げられるんです。