ちなみに玉かけご飯の好きな私でも、月見そばとか月見うどんは最初から玉子をつぶして
ぐちゃぐちゃかき混ぜるなんてことはしません。
そばやうどんはあの汁の澄んだ味を壊したくない。
しかし玉子の黄身の風味もまた素晴らしい。
だから月見そばをどう食うか?
まず3分の1は、生玉子には目もくれずそばの風味を汁の風味と共に味わう。
生玉子を崩さないように触らない、避けることに神経を使う。
ただ固まってもいないヌルヌルの白身だけは最初に口をつけてズズーッとすする。
はっきり言ってみっともよくないものだが仕方がない。
白身のヌルヌル感の快感は玉かけご飯だけであり、他の料理には合わない。
カレーライスに生玉子を落としても白身だけはカレーに合わない。
だから黄身だけカレーに乗せるカレー店もあるが。
月見そば、うどんも然り。
そして黄身だけになったところで、ある程度そばの風味も汁の味も楽しんだところで
初めて黄身を箸でつんとつつく。
半熟ですらない黄身はみるみるうちに汁に流れようとする。
しかしそうはさせじとそばの上に広がった黄身をそばと一緒に口に入れ「美味い!」
それからも汁を極力濁さないようにとハラハラドキドキしながら月見そばを食べる。
すっかり濁った汁は美しいとも思わない。
しかし玉かけご飯だけは違う。
黄身も白身も最初からぐちゃぐちゃにしてズルズルーッだ。