米国では1950年代から70年代にかけて、トリウム溶融塩炉と呼ばれる原子炉の技術開発を進めていた時期
がある。1965年から69年までの4年間、無事故で運転した実績を持ち、基本技術は確立している。トリウムの
燃料利用を想定していたこの原子炉は、核の平和利用の本命であった。
 トリウム溶融塩炉の利点は、小型化に適し、経済性が高いということだ。そして、軽水炉の使用済み燃料や
解体核兵器に含まれるプルトニウムを、トリウムとともに燃やして処理ができるという点も都合がいい。トリウム
そのものは核分裂しないので「火種」としてプルトニウムが使えるからだ。
 米国にはトリウム・パワー(Thorium Power Ltd)という核燃料企業もあり、日本など世界で広く使用されている
軽水炉でのトリウム利用を推進している。各国では、溶融塩炉だけでなく、さまざまなタイプの原子炉でトリウム
を使えるようにする研究開発が行われている。
日本復活のエネルギーである新農業産業構想に最適で、大量の室内&地下農業
事業の切り札になりうる。