トキが増え過ぎて「もはや害鳥」佐渡の住民が困惑
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200302-00610069-shincho-soci

 新型肺炎の影響は思わぬところにも広がっている。上海歌舞団による「朱鷺(とき)」の日本公演がウイルス蔓延の
ために中止になってしまったのだ。

 この舞劇、1999年に中国の江沢民主席(当時)が日本につがいのトキ(ヨウヨウとヤンヤン)を贈ったことから
日中友好の象徴として作られた作品だ。当時、日本では保護されていたトキが最後の一羽となってしまい、国産種は
絶滅の縁にあった。トキの学名はニッポニア・ニッポン。何としても復活させたい政府(当時の環境庁)は、中国から
もらい受けた2羽を、新潟県の「佐渡トキ保護センター」で大事に育て、今では自然繁殖するまでになっている。

 一昨年には秋篠宮家の眞子さまが佐渡島で行われた「佐渡トキ野生復帰10周年式典」にご出席。「環境後進国」と
揶揄されがちな昨今、誰もが嬉しいニュースのはず、だった。

 ところが、最近になって地元の佐渡では、そのトキが問題になっているという。数が増え過ぎたのだ。

 獣医でトキの保護事業にも関わった葉梨輝夫氏(佐渡市在住)が言う。

「佐渡ではトキ保護センターが幼鳥を育て自然に放してきたのですが、観察して分かったのは、トキは意外に繁殖相手を
見つけるのが上手だということ。現在、野生のトキは430羽ほどいますが、このペースだと数年のうちに自然繁殖だけで
千羽を超えると見ています。それだけ佐渡が自然豊かであるとも言えるのですが……」