>>68 続き
Dのナスカプレートについて説明します。
ナスカプレートはなんと、「日本古太平洋プレート(群)」(千島海盆プレート、日本海プレート、フィリピン海プレート)の片割れです。
ナスカプレートと「日本古太平洋プレート(群)」の長さを見ると、ほとんど同じである事がわかります。
同様に、カリブ・ココスプレートの東太平洋海嶺に面する距離は、アリューシャン海盆プレートの島弧と同じ長さです。
つまり、「日本古太平洋プレート(群)」(千島海盆プレート、日本海プレート、フィリピン海プレート)は、東太平洋海嶺の南米沖で発散され、ナスカプレートはそのままの位置、「日本古太平洋プレート(群)」は太平洋を横断し、ユーラシア大陸の東端に運ばれて来たのです。
ナスカプレートは中生代から新生代の太平洋プレートと考えられていますが、(一般的な太平洋プレートの年齢図による。)実は違います。
ナスカプレートは南米プレートに潜り込んでいます。しかし、南米太平洋沿岸には真っ黒な太平洋プレートの玄武岩が見られません。つまりナスカプレートは現太平洋プレートではなく、古生代に東太平洋海嶺から発散された「古太平洋プレート」の一枚なのです。
この事は、ナスカプレートが南米プレートに潜り込んで巨大なアンデス山脈を形成している事からもわかります。
「古太平洋プレート」は海溝に沈み込む事はなく、少し沈み込んでも、非噴火性火山を形成する、という性質をここでも表しています。