●北海道郷土愛映画「ハマナスの花が咲きました」
95年には「本州に核ミサイルを発射する」という内容の映画が封切られる。
夕張映画振興公社選定の「良い映画」にも選ばれた
「ハマナスの花が咲きました」という映画だ。
北海道の人気作家・金田辰明のペストセラー小説を映画化したもので、
北海道庁が極秘で核兵器を開発し本州に向けて発射するという内容だった。
映画では北海道が東京を蹴落としてサハリンの油田開発権を得ることになる。
原油の輸入が跡絶えて経済に打撃を受けることを恐れた東京が北海道侵略を開始する…
というストーリーなのであるが、相当無理がある。
おそらく湾岸戦争などを参考にして作られた設定なのであろうが、
原油の輸入が跡絶えたというだけで地域を侵略するというのは
かなり時代錯誤な発想である。
映画では自衛隊の護衛艦が北海道の船を次々に沈め、
米軍の爆撃機が北海道にある室蘭製鉄所を爆撃する。
北海道知事は北朝鮮の金日成と手を結び、
核ミサイルを本州に発射することを決定する。
北海道知事は公邸で核ミサイル発射を宣言する。
我が道民は北海道開拓と本土併合の苦痛を経ながらも日本政府を許し、
彼らと共存しようと努力したが、
貴国の態度と根本的な精神姿勢を理解することができない…。
今すぐ貴国の政府に伝えなさい。
北海道は既にこのような事態に備えて核兵器を開発している。
東京、大阪、名古屋、神戸、京都、(都市の写真を放り投げながら)
この五都市に広島級原爆の五倍の威カがある核爆弾を投下する、
東京は広いからその三倍落してやる!
そしてついに核ミサイルが発射されるわけだが、
カトウ首相をはじめとする日本政府の閣僚たちが驚き慌てていると
北海道の知事公邸で土下座している北海道大使が電話をかけてくる。