福島市中町の老舗旅館「藤金」が12月末に営業を終了する。ビジネスホテルが主流となった時代の変化を受け、150年の歴史に幕を下ろす。
同旅館は1868(明治元)年創業。初代館主遠藤金治の名前から2字を取って屋号を「藤金」とし、防火対策から当時では珍しい蔵造り建築で営業を始めた。

 館内には76年の明治天皇の東北巡幸に同行した木戸孝允が同館に宿泊した際に残した「天知有道守」の横額や、
大正時代に竹久夢二が亡くなった館主を思って描いた黒子の絵、福島民友新聞社の編集局長を務めた藪内喜一郎が作詩し、古関裕而が作曲した軍歌「露営の歌」の藪内自筆の横額などが飾られている。