亡くなった祖父の思い出話
クソスレだとか言われるかも知れないが
どっかでアウトプットしないと寂しくてね。
ゆっくり書き綴っていくので良かったらお付き合いください。
祖父が先々月亡くなった。
誤嚥性肺炎だった。
俺はおじいちゃん子だったもんでそれはもう
悲しくてたまらなかった。
亡くなる前は認知症や鬱の傾向が見られて
自殺未遂などをしていたので入院していて
コロナもあって面会ができず
いざ死に際に会いに行った際には
もう瞳孔が開ききっていて
意識もほぼ無い状態だった。 俺はその時、祖父の家から500キロほど
離れた場所に住んでいたので
仕事やコロナ感染者が増えていたのもあり
気軽に面会しに行ける状況じゃなかった。
親から今晩が山ですねと医者が言っている。
との連絡が入ったのですぐに祖父の元へ向かった。
今まで癌なども患っていたのもあり
これで3度目の山場だった。
きっと大丈夫、また一緒にタバコを吸いながら
しっかりやれよって言うくらいに元気になる。
そう思っていた。 さっき言った通り、会いに行った時には
もう意識が無かった。
俺が行く数日前までは飯がまずいなど
病院に悪態をついていたらしい。
そこで祖父に会ったのは半年ぶりだった。
今までにないくらいガリガリになっていて、
枯れた木の様になっていた。
ベッドに横たわる祖父は目が開きっぱなしで
かろうじて瞬きをするくらいだった。
その姿を見た時に、今度こそは無理だろう。
そう確信した。 冷たくなって爪が伸びて割れかけている手を取り
握ったが反応が無かった。
ただ少し握っていると開いていた瞼がゆっくりと
閉じていった。
安心して眠ってしまったのだろうか。
それからその日は病室を後にした。
次の日
その日は少しだけ回復している様子だった。
瞼が閉じていたが呼びかけると
ゆっくりと瞼を開けた。
俺はまた手を握った。
すると握り返してくれた。
弱々しいがしっかり握っていて
一緒に来ていたおばと交代する時も手が離れないくらいに。
それから30分ほど握っていた。
それからは日に日に反応が無くなっていき、
とうとう1週間後に亡くなった。
持って明日と言われていたのでよく頑張った方だろう。
点滴も外れて3週間も生き延びたんだよく持ったよ。 祖父はピースライトを吸っていた。
このタバコの軽いのをおばが買っていったらしいが
これじゃないと手をつけないくらいこのタバコに
愛着があった様だ。
俺も同じタバコを主に吸っている
甘く香水の様な香りがする。
ただ皮肉な事に、俺が吸ったところで
鼻が慣れてしまいあまり匂いを感じないのだ。 生前、ベランダへ出てタバコに火をつけた祖父が
開口一番に
「じいちゃんもう長うない。ばあちゃんが呼んどるわ。」
そう言っていた。
ちなみに祖母はその5年ほど前にヒートショックによる溺死により、
風呂場で亡くなった。
俺は
「何言ってんねん、まだE(妹)の子供も見てないやろ。」
そう返した。
結局妹の出産日は来年の一月で
一歩及ばずだった。
続けてこう言った。
「それにまた子供が生まれるってなったら元気になるって」
と。
祖父は最初の癌で今夜が山と言われた際に
おばの子供、要するに従兄弟が生まれるタイミングだった。
無事従兄弟が生まれたことを祖父に報告すると
無事山場を越え、順調に回復して行った事があったからだ。
ちなみに膵臓癌のステージ4
5年以内の生存率は当時3%と言われていた。
それからも食道や肝臓に転移して計5回ほどの
手術を受けているがまさか死因が誤嚥性肺炎とは。 祖父は戦争による孤児だった。
親は空襲で亡くなり、兄弟の兄も戦死。
三人兄弟の末っ子でもう1人兄がいたが
その人も俺が生まれた頃にはこの世に居なかった。
祖父は親戚をたらい回しにされ、虐待を受けて育った為か
少し人と接するのが苦手なのか、何を言うにも棘があった。
性格もキツめで癇癪を起こしたりすることもあった。
決して周りからしたら良い祖父では無かったかも知れないが
俺に対しては愛情が垣間見えた。
昔、ムシキングのカードを集めていたのだが
ゲーセンで盗られてしまった事があった。
その一件があったので新たに手に入れたカード一枚一枚に
夜な夜な祖父は俺の名前を書いてくれていた。
当時は恥ずかしいって思っていたが
今思うとそれが祖父なりの愛情だったんだなと思う。 ＞＞8
ありがとう、よかったらお付き合いください。
また時間ができたら続きを書いていきます。 ちなみに俺は4人兄弟の長男で
祖父は俺が小学4年の頃に野球のグローブを俺と弟に
プレゼントしてくれた。
正直野球はあんまり好きじゃなかった。
祖父が野球を観ていると決まって大声で怒鳴るから
俺は昔からそんなにムカつくものなんだ。
そう思っていたから。
祖父は俺にグローブを持たせて、キャッチボールしよう
そう言って家の前の道路へ俺を連れ出した。
弟はミスったら怒られると思っていたらしく
キャッチボールに参加してこなかった。
祖父は外へ出るなりタバコに火をつけた。
うちでは見慣れた光景なもんで特に何も思わなかった。 祖父がボールを投げる。
グローブはまだ買ったばかりで固くサイズも少し大きい。
そのため俺はうまくキャッチできなかった。
「あぁ、固いな。貸してみい」
そう言って俺のグローブを揉み始めた祖父。
「固いからこうやって揉んだんねん、使えば使うほど柔らかくなって使い易うなってくわ」
確かに揉んだ後のグローブは少し使い易くなったと思う。
そのおかげかその後はしっかりとキャッチボールが
成立するくらいまでになっていた。
それから週一回キャッチボールを祖父とする生活を送った。
俺の親父は俺とあまり遊んでくれなかったから
家族間で唯一の楽しみになっていた。
それから一年くらい経った時には手のひらを開けたままだった
グローブがケバブみたいに平たくなっていた。
そのぐらいの頃に祖父は膵臓癌で倒れた。 あとは上にも書いてる通り
従兄弟が生まれたことにより祖父は復活した。
けれど、入院期間が長かったのでﾘﾊﾋﾞﾘの必要があった。
酒っ腹だった祖父の体型は細っそりとしていた。
その頃から杖を持って歩く様になった。
当然、ｷｬｯﾁﾎﾞｰﾙは出来るはずが無かった。
そのかわりに生まれたばかりの従兄弟の元へ
毎週会いに行くようになった。
その頃、おばと従兄弟と祖父母が同じ世帯で暮らしていた。
祖父がﾍﾞﾗﾝﾀﾞを指さして
「N(俺)がこいと(つ)くらいの時にずっとあのﾈｷﾞ見てわろとったんやで、この葱坊主(本当に言った)」
それから俺が中学に上がってから祖父は食道がんになった。
立て続けに胃にも転移していたので胃も一部切除した。
癌を一度発症すると転移して切除のｲﾀﾁごっこで
「こんなんやったら早よ死にたいわ」と
術後せん妄を起こしてよく嘆いていた。
その頃にはもう酒もやめて大分温厚になって行ったと思う。
飲んだらすぐに癇癪を起こして、ちゃぶ台返ししたりで
手がつけられなかったので家族がめちゃくちゃ喜んでいた。
それから厨二に上がる頃に祖母が亡くなった。
そこで俺は親父と祖父が泣いているのを初めて見た。
けれど俺は涙が出なかった。
そんな祖母はと言うと祖父と同じくらいに好きだった。
めちゃくちゃ甘やかされてて
いつも祖母とべったりくっついてゲーセンに行ってた。
晩年は腰が90度曲がっていて妖怪みたいだった。 祖父はそんな祖母を後ろから蹴り飛ばしたり
めちゃくちゃな事をしていたが
やはり長年付き添った仲だからか涙を流していた。
けれど葬式は1番安いコースで祖父がセッティングしていた。 葬式が終わり、少し経ってから
祖父の家に泊まってた時の話なんだけど
少しオカルトチックな話になる。
実はこの頃時折亡くなった人を見ることがあった。
それは祖母も例外ではなかった。
俺は喉が渇いてお茶を飲もうと台所へ向かった。
すると台所の奥で祖母が何かをしている。
少し変わった作りの台所で奥に洗濯機が置いてある。
それを物珍しそうに眺めていた。
その話をおばにした際、洗濯機を最新のドラム型に変えたそうだ。
俺は知らなかったんだが、祖母は洗濯が好きで
特に洗濯中の洗濯機を眺めるのが好きだったようだ。
自分の好きだった洗濯がより見やすくなっていると
驚いて出てきたんだろう。
ちなみに家族に関しては一切メッセージ性など無かった。
祖母は結構天然でそう言う人だったから祖母らしいといえば
祖母らしい。
祖父に伝えると少し寂しそうにそうか…
とだけ答えた。 それから祖父はあまり怒らなくなって行った。
というよりも、どこか元気がない。
家でテレビ見てたまにパチンコ行って
ベランダでタバコを吸う
友人などの交流が煩わしいらしく、
そのくらいしかやることがなかった。 それから祖父は肝臓癌になったり
認知症の症状が見られ始めたりした。
そのせいでなのかはわからないけれど
祖父が車を運転していた際、狭い道路を通ろうとしたら
脱輪してしまった事があった。
おばがすぐに車を売り払ったので祖父は大激怒。
ただこのまま運転を続けて誰かをひいたりしても大変だから
不便にはなるが仕方ない。
ちなみにおばはペーパードライバーなので
主に足になっていたのは祖父だった。 それから認知症が進行して行ったと思う。
誰が誰かわからなくなっていき、
よく名前を間違えていて、話もめちゃくちゃだった。
けれど俺の名前を間違えたりした事はなく、昔話を鮮明に覚えて居てくれた。
俺が居ない時にもしかしたら間違えた事はあるかもしれないけどね
それから俺が大人になり、家にいても暇な祖父を
連れ出していた。
行き先はパチンコ、よく祖父は海物語を打っていた。
俺はイマイチパチンコに詳しくなかったから
祖父の隣で一緒にタバコを吸いながら
ハズレたかぁ〜とかおぉ！当たったわ
とか言ってとても楽しかった。
あんなに生き生きした祖父をみれたのは初めてだった。 俺がその頃車の免許を取った。
それからまた毎週のように祖父の家へ入り浸った。
祖父は「また来たんか、もうこんでええで」
とは言うがまんざらでもなさそうだった。
いつもこんな風に言うが実際は嬉しそうにしていた
とおばは言っていた。
ようはツンデレ属性の爺さんなのだ。 ある日ベランダで連れタバコをしていると
ふと祖父が遠くの空を眺めて言った。
「もう長うないわ、また癌なってもた」
そう祖父はつぶやいた。
けど今まで何度も癌を乗り切っていたし、
早期発見だろうと思って
「何言うてんねん、孫見るまでは死んでも死にきれんやろ」
そう返した。 ある日ベランダで連れタバコをしていると
ふと祖父が遠くの空を眺めて言った。
「もう長うないわ、また癌なってもた」
そう祖父はつぶやいた。
けど今まで何度も癌を乗り切っていたし、
早期発見だろうと思って
「何言うてんねん、孫見るまでは死んでも死にきれんやろ」
そう返した。 ラグって二回書き込んでしもた、ソーリー。
祖父はその後入院が決まっていたので
いついつに手術やとか深刻そうに言っていた。
医者からは体力的にもしかしたら起き上がれなくなるかもしれない
と言われていたみたい。
けれどうちの祖父はひ孫みたさにまた起き上がるだろうと
とても楽観的に捉えていた。
それから手術の日に俺は祖父を病院へ
見送った。 考えは的中していて、手術から2日で退院した。
ただ病院が早く退院してくれと言われて半ば無理矢理に
退院させられたようだった。
祖父は病床に伏せるのが嫌いなようで
本人的には良かったのかもしれない。
その後問題なく回復していくと思いきや
誤嚥性肺炎を引き起こし、Uターン
高熱で意識が無い状態で危うかったが
その峠も越してまた退院した。 そこで俺の親父が病院側に不信感を持った。
癌の治療して2.3日で退院させて誤嚥性肺炎になって
また入院となれば
たしかに雑な対応だとも俺は思った。
けれど結果的に長く居たら本当に寝たきりになって
しまっていただろう。 一応別の病院を受診するようになった。
その頃に俺の息子が生まれた。
息子へ接する様は本当に穏やかで
とても喜んでいたように思う。
それから間も無くして祖父は重度の認知症とうつ病と診断された。
毎日よくわからない事を言っておば家族を困らせたりしていて
自殺未遂を図るので精神病棟へ入院する事になったそうだ。
俺は仕事が繁忙期だったので
送り届けれなかった。
まともに最後話せたのは子供が産まれて間もなかった頃だろう。 精神病棟へ入院してから半年後
コロナもあって面会などはできなかった。
突然医師から電話がかかって来て
誤嚥性肺炎で大きな病院へ転院が決まった。 それから1ヶ月ほど経って
お袋から祖父がもうダメだと聞かされた。
その後は最初に書いた通り。
祖父の息を引き取った。
ちなみに亡くなった時に俺は
祖父の元へ行こうとしてた途中に電話がかかって来て
完全に意識が無いと連絡が入った。
けど看護師の人がゆっくり来てもらっても大丈夫です
なんて悠長な事を言っていた。
1週間ほどこの繰り返しだったもんでみんな
気が緩んでた。
行った時には鯛の塩焼きみたいになってた。
自然と涙は出なかった。
むしろこんな長引いて辛いだろうとさえ思っていた。 それからお通夜と葬式が執り行われた。
祖父の棺にいつも吸っていたタバコをいれて
全身を覆うほどの花を添えた。
もう少しで100日になるのでまたタバコのお供えでも
しに行こうと思う。 俺、埼玉県民なのに感動して出勤できなくなってしまった。今日は会社を休んでイッチのジッチャンの供養の為にタバコを吸いまくるよ。
ありがとうイッチ 後日談？みたいなのなんだけど
大人になるにつれて幽霊が見えなくなってて
祖父の霊は見てないんだけど
夢で祖父とベランダでタバコを吸っている夢を見た
祖父が
「最近どないや？」
って聞いてくるから
まぁぼちぼちかなって答えた
その頃趣味の釣りをやってて
それも祖父から教わったんだけど
上手く釣れなくって困ってたんだ。
その話を祖父としてどうやったら釣れるかなんて
教えてもらったりして
最後に祖父が
「ほんで、49日は来るんか？」
って聞かれて
俺は夢から覚めて
あ、爺ちゃん死んだんやった
って涙が出てた
それが49日の2日前の朝だった。
余程来て欲しかったんだと思う。 タバコ吸ってるおじいさんが癌になって医療費の無駄遣いしたってところまで読んだ それまでにタバコで税金をたくさん払ってきている
そして年金をもらう頃に重篤な病気になる仕組み そういえば、昔じいちゃんが「○○（俺）は将来大きくなる」とか言ってたなぁ。俺たち孫の将来を気に掛けてくれていたみたいだし。正直そんな大した人間にはなれないかもしれないけど、じいちゃんに恥じない生き方をしたい。
とりあえず、受験頑張る。 
