広岡が日本プロ野球史に残した偉大な功績が3つある。

 まず、両リーグで監督を務め、チームを日本一に導いたのは三原修、水原茂、広岡達朗の3人しかいない。
なかでも2チームの弱小球団を3年以内に日本一に導いたのは、広岡ただひとりである。

 そして、巨人入団1年目に残した打率3割1分4厘は、現在でも大卒ルーキーの最高記録でもある。

 特筆すべきは3つ目、広岡は監督時代に指導した幾多の選手から、のちの監督経験者を14人も輩出している
田淵幸一、東尾修、森繁和、石毛宏典、渡辺久信、工藤公康、辻発彦、秋山幸二、伊東勤、大久保博元、
若松勉、大矢明彦、尾花夫、マニエル)。
これは、史上空前のV9を成し遂げた川上哲治、知将・野村克也、闘将・星野仙一でもなし得なかった数字だ。