(上の続き)
20年ぶりの経口爪白癬治療薬 日経メディカル 2018/2/9
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/201802/554751.html
北村 正樹(東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部)

 日本国内で実施した爪白癬患者を対象とした1日1回12週間投与時の無作為化二重盲検群間比
較試験では、プラセボ群との比較で有効性と安全性が確認された。さらに臨床試験ではγ−GTP
増加など肝機能障害はあるが、非重篤であり転帰は全て回復と判断されているため、既存の薬剤
より重篤な肝障害もなく、薬物相互作用を示す可能性が低いと考えられている。また、食事にか
かわらず1日1回の投与が可能であることから、高い服薬アドヒアランスが得られると期待され
ている。

 薬剤使用に際しては、承認時までの国内臨床試験において副作用が23.8%認められているこ
とに十分注意する必要がある。主なものとしてγ-GTP増加(15.8%)、ALT(GPT)増加(8.9%)、
AST(GOT)増加(7.9%)、腹部不快感(4.0%)、血中ALP増加(2.0%)などであり、重大
なものとして肝機能障害が報告されている。