「青山や麻布といった都心の超一等地や大都市の一部を除き、今後不動産価格は全国的に下落していきます。
人口は'08年をピークに減少し続けているにもかかわらず、それを超える住宅が今後も供給され続ける、というミスマッチが不動産業界で起こっていることが一因です。
住宅の供給過剰が進むと、価格の下落だけでなく空き家物件の増加にもつながることになります」(不動産コンサルタント・さくら事務所会長の長嶋修氏)

住宅価格の下落とともに、団塊の世代が住んでいた大量の住宅が、彼らの死によって無用の長物と化す。

数万人規模で人口が減少した地域のインフラは劣化し、産業も衰退する。やがて若者は棲みつかなくなり、
デベロッパーも再開発に消極的になる。こうして、不動産価格は輪をかけて下がっていくのだ。

相続する家の価格は、その土地の路線価を基準に査定される。現在、都市部の不動産価格はわずかに上昇傾向にあるが、
市場がひとたび失速して物件の売値が下がれば、相続税査定の評価額と売値とのあいだで差が大きく出て、赤字の相続になるケースが増える。

不動産を売らずにそのままにしておけば、相続税に加えて毎年の固定資産税や維持費が重くのしかかってくる。
住んでいるわけではないにもかかわらず、である。すなわち、相続するだけで損をする「負動産」が、団塊の世代の高齢化をターニングポイントとして急増していくのだ。

団塊の世代から相続を受けることになる団塊ジュニアは、すでに都市部に住宅を所有していることが多い。
両親の家が居住地から離れたところにあれば、その管理までなかなか手が回らないだろう。

建物は放っておけばすぐに劣化し、人に貸すことも売ることもできなくなってしまう。したがって相続人は「すぐに売るか、取り壊して更地にするか」の二択を迫られることになる。

もちろん上物を取り壊すことなく即座に買い手がつけばいいが、築数十年を過ぎているであろう団塊世代の住宅では、
そううまくいくとは限らない。とはいえ、家を解体するにも150万〜300万円といった高額な費用の負担が必要だ。
以下ソース
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53323