2017年12月5日 日刊ゲンダイ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/218893/1

テレビを設置すれば、受信料支払い義務が生じるのは、憲法が保障する「契約の自由」に反する――そう主張して受信料を支払わない男性に対して、
NHKが支払いを求めている訴訟。6日、15人の裁判官全員が参加する最高裁大法廷で判決が下される。「NHKの公共性を理由に合憲判断を示す可能性が高い」(法曹関係者)という。

 現在もNHKの受信料取り立ては、苦情が殺到している。最高裁の合憲判決が加わればますますひどくなる――そんな不安の声が広がっている。

 4日の毎日新聞は、NHKの受信契約を巡り、全国の消費生活センターに寄せられた件数が昨年度8472件になり、過去10年間で4倍に急増したと報じた。

 一体、現場で何が起こっているのか。NHK出身で葛飾区議の立花孝志氏が言う。

「NHKの地域スタッフによる集金から、外部業者へ委託し全国展開したのが10年前です。
苦情が増えたのはそこからです。地域に根差したスタッフではどうしてもフレンドリーになってしまい、
なめられていた。業者委託後に、スタッフは2カ月おきにローテーションで担当エリアを替わるようになった。
スタッフに短期勝負を課すと同時に、交渉相手と“顔なじみ”にならないようにして、ドライな対応を可能にしたのです。
しかも、受信料制度など丁寧な説明はせず、法律を盾に契約を迫るのですから、苦情が増えるのは至極当然です」

苦情急増の一方で、なるほどドライな集金は大きな“成果”を挙げている。昨年末の世帯別受信料支払い率(全国平均)は、過去最高の78・2%となった。

 相談件数の急増について、NHKは「契約収納業務の法人委託化に伴い、新たに業務を開始する一部の法人事業者の社員の業務に関する知識が若干不足していることで、
視聴者の皆さまからご意見をいただくことがあり、再発防止を図る」(広報局)と回答した。

 本当は「まごころ不足」じゃないのか。