食事の欧米化と運動不足が糖尿病急増の原因
 研究チームは、米国で生まれた東アジア諸国の移民の子孫や
、ハワイや太平洋諸島の住民などを対象に、糖尿病の発症について調査した。
 アジア系の人のほとんどは、米国式の生活パターンに適応し、食生活などは伝統的なスタイルから大きく変化している。
炭水化物中心の食事から肉食に変わり、カロリーと脂肪の摂取が増え、ファストフードなどを多く摂取するようになった。
車で移動するようになり、ウォーキングや運動の頻度は減っている。

 もっとも多いのは2型糖尿病で、発症率は地域によって異なるにしても、平均で6%を超えている。
糖尿病と診断されず治療を受けていなかったり、糖尿病と診断されないまでも血糖値の高い「糖尿病前症(pre-diabetes)」に分類される人も多いという。

 世界保健機関(WHO)と国際糖尿病連合(IDF)の調査によると、米国の糖尿病有病数は2680万人。
世界の糖尿病人口は増加しており、2030年までに中国で6350万人に、インドで8700万人に増加するとみられている。

 「日系米国人の糖尿病の発症率は、日本で暮らしている日本人よりも高い」とジョスリン糖尿病センターとハーバード大学医学部に所属するGeorge L. King教授は話す。
「世界で糖尿病が急速に増えているのはアジア地域だ。近い将来に、アジア全域が米国のようになるおそれがある」としている。