私たちの祖先はもともとベリーや花などを食べるベジタリアン的な食生活を送っていましたが、
ホミニンが種やナッツを食べるようになってから摂取する脂肪のレベルが上がり、食物繊維のレベルが下がりました。
これによって、ヒトの体は肉を受け付けるようになり、250万年前ごろから肉食が始まりました。

では現代において、ヒトが肉だけを食べ続けるとどうなるのでしょうか。

まず、レンズマメ、豆、ブロッコリーといった食物繊維を多く含む食べ物を摂取しないと、便秘気味になり不快感を感じます。


また、エネルギーを生み出す最もシンプルな方法は炭水化物をグルコースに変換することなので、
炭水化物をとらないと体を構成する脂肪が燃やされタンパク質が分解されることに。

タンパク質からグルコースを作ることを糖新生といい、生成は肝臓で行われますが、
これと同時に作られた窒素廃棄物は尿へと排出されることになります。

しかし、尿に含まれる窒素廃棄物が多すぎると、吐き気や下痢、
場合によっては致死に至るタンパク質中毒を引き起こすこともあるとのこと。

脂肪分の少ないうさぎの肉ばかり食べていると、肉を食べているにも関わらずどんどん痩せていきます。
このことからプロテイン中毒は「rabbit starvation(うさぎ餓死)」とも呼ばれます。

また、人間は体内でビタミンCを合成できない生き物であり、ビタミンCの欠乏も死にいたる可能性の1つです。
野菜や果物からビタミンCを取り入れることができないと人体は腱・靱帯・肌で効率的にコラーゲンやタンパク質を作りだせず、
壊血病のリスクが増したり、傷の治りが悪くなったり、歯茎の状態が悪化したり、人格が変わることもあります。

これらの治療が行われないと感染症や多量失血から死ぬこともあります。

ただし、生肉を食べることで、上記のような状態は避けることが可能。

熱によってビタミンCは破壊されてしまいますが、生肉や鯨の脂肪には100gあたり36mgのビタミンCが含まれているためです。
壊血病は1日あたりのビタミンC摂取量が10mg未満で引き起こされると言われているので、
生肉を食べていれば壊血病は防げると考えられます。