歯周内科治療で使用される薬の紹介

★ジスロマック(抗生物質名:アジスロマイシン)
・3日間(1日500mgづつ)もしくは1回(ジスロマックSR)だけで服用後1週間から2週間効果が続く。
・クロマイト系抗生物質のうち15員環以下の特徴である歯垢のバイオフィルムを破る効果がある(ジスロマックは15員環)。
・その結果歯垢の歯周病菌も滅菌可能である。
・主たる歯周病菌レッド・コンプレックスを滅菌可能。
・ファゴサイトデリバリーという作用により、抗生物質が白血球に取り込まれ病原菌に届けられるため
 病原菌に血中濃度の10倍以上集まる。
・歯周病菌の歯槽骨を破壊する作用を抑止する。

副作用
・腸に作用することで、下痢をすることがある(腸内細菌が滅菌されるからではない)。
・一般に口腔の細菌が減ることで、口腔カンジダが現れることがある。

★抗真菌剤(ファンギゾンシロップ(ジェネリック品:ハリゾンシロップ)、または、マイコスタチン(ジェネリック品:タイスタチン))
・歯垢や歯石を歯にくっつけている接着剤がカンジダであり、抗真菌剤でカンジダを滅菌すると歯垢や歯石がはがれる。
・カンジダは歯茎にもついて菌糸を張り、その菌糸にそって歯周病菌が歯茎内に侵入すると言われており、
 カンジダを滅菌すると、歯周病菌も白血球で消滅する。この結果歯茎が引き締まる。
・カンジダは糖分を栄養源として代謝し、乳酸を放出する。この乳酸が歯のう蝕の原因でもあり、
 カンジダを滅菌することで、虫歯も予防できる。
・ジスロマックと併用した場合、ジスロマックで発生した口腔カンジダを、抗真菌剤が滅菌できるので効果的。