肝臓病における必要なたんぱく栄養摂取量について

兵庫医科大学 内科学肝胆膵科 教授 西口修平

肝硬変ではさまざまな代謝異常によってたんぱくが失われる一方、たんぱく合成そのものも低下しています。
栄養学的にみると、健常人より多くのたんぱく摂取が必要となり、その量は理想体重1kg当たり1日1.3g程度とされています。
しかし健常人に比べてそれだけ余分な代謝に迫られることにもなり、アンモニア対策等もより重要になります。
アミノレバンEN配合散はBCAA(分岐鎖アミノ酸)主体の総合栄養改善剤であり、
たんぱくコントロール食と併用して頂くことで、肝硬変のたんぱく代謝改善に寄与しつつ、体重1kgあたり1.3gのたんぱく補給を可能にするものです。

大阪青山大学 健康科学部 教授 藤原政嘉

体重が60kgの肝硬変患者さんの場合、1日約80gものたんぱく摂取が必要となります。体重が50kgの人では約65gです。
一方、アミノレバンEN配合散1包で補給できるたんぱく質は、13.5gです。このことからたんぱくコントロール食を逆算して考案し、
アミノレバンEN配合散2包、あるいは3包を組み合わせることで、患者さんの病態や体重に合わせた理想的なたんぱく栄養摂取が可能になります。
ここに示した献立や食材(量)の例を参考に、是非日常でできる食事療法に取り組んで頂きたいと思います。
しばらくの献立作りに慣れるまで「食品の選択表」を壁などに張っておきましょう。

藤原政嘉 教授 音声解説 字幕

肝臓病では医師の指示による薬物療法や食事療法が大変重要となってまいります。
肝硬変ではさまざまな代謝異常が起こり、それぞれの症状によってたんぱく質を少なくする食事、
いわゆるたんぱくコントロール食を取らなければいけない場合があります。
家庭においては患者さんの食事が優先され、家族の方が負担となって食事療法が長続きせず、
偏った食事や変化に乏しい食事のため、患者さんのQOLを悪くしている場合があります。
今回は家族で手軽にできる料理を献立に取り入れ、患者さんと家族が献立を別にすることなく少し変化させるだけで、
一家団欒で食卓を囲むことができる献立を選んでみました。