ビートルズの来日した際、警視庁が撮影した記録映画の全面公開を巡って
名古屋市の市民情報公開センターと東京都が争っている

ファンの間では「幻の映像」とされる三十分強のモノクロ・フィルムの
公開を求めたのに対し
都は「警察官やファンの顔は個人情報に当たる」として拒否

フィルムにはメンバー4人が降り立った羽田空港や公演先の日本武道館
宿泊先周辺のパトロール、観客の状況などを収めたもの。
4人の到着や演奏、移動、搭乗の様子も含まれる。

都は「(映像には警察官やファンの)顔が記録され
特定の個人を認識する事が出来る」と認めず、
センターは取り消しを求め東京地裁に提訴。
地裁は都の主張を支持し訴えを退けた。センターは直ちに控訴。

「来日時の映像は広く既に商品化され歴史的価値もある。
50年前に撮影された映像で特定の個人を識別することは困難。
何でも個人情報とする風潮も疑問だ」と話す。
観客にモザイクをかけてでも公開して欲しいと頼んだが
技術で出来ないと都は拒否。

「コンサートで観客にモザイク処理を施したものなど見た事がない。
公開されても一般人が不利益と被る可能性は極めて少ない。
ミュージシャンやファンの意向とは別の上から目線の
事なかれ主義が今も毅然として存在してる図式だ。
50年前のライブでの締め付けと何ら変わってないと感じる」と
音楽評論家の宮永さんもコメントを寄せた。まだまだ議論は続きそうだ。

中日新聞 1月27日