能見さんめちゃ素晴らしい
同じ移籍ベテラン左腕でも誰かと大違いだわ

日刊スポーツ読者のみなさん、いつも応援ありがとうございます! 能見篤史です。

オリックスに来て1年目で優勝。僕自身は阪神で新人だった05年以来、16年ぶりのVでした。今年は兼任コーチでプレーさせていただいて登板が26試合。中嶋監督、高山投手コーチに配慮してもらったシーズン。今いるメンバーを中心に、僕がプラスで少しでも力になれたならうれしいです。

僕は兼任コーチなので当然、試合でも投げる機会があります。若い選手たちに「こうすれば、意外と抑えられるんだな」とか、配球も「こういうのがあるよ」と実戦で伝えられる。だからこそ、ちゃんと抑えないと。そう思って毎日出番を待った1年でした。身をもって実践しないと選手への言葉も通じない。受け止めてもらえないんです。

今はもう、球が速いわけではない。でも、意外と真っすぐで押せるんだなと感じてほしい。そのひとつのサンプルとして僕を見てほしかった。捕手に対しても、そう思っています。捕手は一番抑える確率の高いボールを選択する。投手の特徴を踏まえて一番良いボールを選択します。逆算して、最終的にここで打ち取りたいと考えて、見せるボールと勝負するボールがある。駆け引きの面白さを覚えてほしいと思っています。

この1年は「監督を胴上げしたい」という気持ちが強かったです。あとは、今いる選手が「優勝っていいものだな」と感じてほしいなと。本当に良いボールを投げる投手が多いし、未来のある選手ばっかりなのでね。あの子らが思い切りはしゃいで、すごく楽しそうな瞬間が見たかった。純粋に喜んでいる姿をね。

若手を見て思い出すことは…ないです!(笑い)。あそこまで僕は純粋に、という環境ではなかった。社会人からプロの阪神に入って、結果も求められる立場でしたし、環境の違いが一番大きいかなと思います。みんな無邪気なのが正直、うらやましいですよ。すごい純粋な選手が多くて、相手チームから見ても、楽しそうに見える。僕もまだまだ、負けていられません。(オリックス・バファローズ投手兼任コーチ)