今週の週刊文春 野球の言葉学:秋山翔吾(埼玉西武) ジャーナリスト:鷲田康

・ベテラン記者「代表選出の基準は選手の熱」。この記者は前日に会食したある選手から代表に集まった選手
から日の丸への思いを聞き、その熱さに感心していた。だから今回の招集で辞退者が続出したことに憤慨
していた。「投手がこの時期に全力で投げるのがキツイのは分かっています。千賀のように日本シリーズまで
投げて肩、ヒジが張っている選手は仕方ない。でも野手の中で打診段階で断った選手がかなりいた。そういう
選手は来年の東京五輪にも呼ぶ必要はない」

・侍ジャパンに集まったメンバーは代表への思いを胸に集まってきている選手たちだ。その1人がカナダ戦で
右足に死球を受けて薬指を骨折し離脱した秋山翔吾外野手だった。秋山は取材で「もしこれでメジャーへ
行けなかったら笑いものになるかもしれない。だからと言って侍ジャパンというものを人ごとのように見る
ことはできない」。この言葉は去りゆく西武のチームメイトの森友哉、山川穂高に向けたような言葉なの
である。

・今回、稲葉監督が目玉と考えていたのが森友哉捕手だったといわれている。代表経験がないことから、
今回のプレミア12で初招集して来年につなげようという思惑だった。ところが森にその気がなく山川と共に
事前の打診段階で断られ。招集が見送りになった。2人が招集を断ったのは様々な理由があったと思うが
秋山はこうも語っている。「デメリットなんて百も承知。メリットに向けるべき。侍ジャパンはそういう
場所」。

・巨人の坂本、ソフトバンクの松田ら日本シリーズ組も代表に参加している。彼らが語るのは「国際試合
でしか経験できないプレッシャーがある。それが日の丸を背負う意味で自分自身も成長できる」という
ことだ。投手の動くボールへの対応なども国際大会で得られる経験だが、何より問われるのは代表への熱
である。今回の招集見送りで森と山川の五輪出場は限りなくゼロに近づくことになるだろう。