長文だけど貼りますよ

https://number.bunshun.jp/articles/-/840075

 野球ファンにとってペナントレースが「日常」ならば、オールスター戦は「非日常」のイベントだ。
 チームが優勝するために戦うプロ野球において、オールスター戦だけは「チーム」より「個人」である。
だって、去年の日本シリーズの勝敗は覚えていても、オールスターでセとパのどちらが勝ったかはほとんど記憶にない野球ファンも多いと思う。
みんな球場へ勝ち負けじゃなく、選手個人を見に行くわけだから。
 そんなせっかくの非日常の夏祭り、しかも歴史的な「令和元年のオールスター」。
これは現地に行くしかない。
観戦ゲームはいつもの巨人戦で行き慣れた初戦の東京ドームではなく、2戦目の甲子園を選んだ。
 グッズだってそうだろう。
球場でレプリカユニフォームを買ったところで日常生活で着ることはほとんどない。
それでも、その瞬間の己のテンションを上げるために買う。
そう言い聞かせるようにグッズ販売の特設テントの列に並んで、記念タオルやTシャツを購入する。
 正月のNPB福袋で毎年大量にオールスターグッズがさばかれている事実も分かっている。
でも、野球グッズはその日その試合の記憶を形にして残せるからこそ価値がある……気がする。
自分でもいったいいつ着るのか不明だが、俺はこのズンドコオールスターTシャツを眺める度に令和最初の夢の球宴を思い出すのだろう。
日本シリーズが関東地区で視聴率40%を突破し、地上波テレビをつけたらいつも巨人戦中継をやってる時代は終わったが、今は動画配信で外出中もスマホ片手にプロ野球を楽しめるし、チケットもネットで手軽に取れるようになった。
地域密着路線で各球団の観客動員数は史上最高レベルで増え続けている。
要は野球を取り巻く環境も、ファンの好みも細分化した。
 近本のサイクルの件もそうだ。
「球宴だからユルく楽しめればいい」と支持するファンも、「これだから最近の球宴はヌルくてつまらない」と否定的なファンもいる。
どちらが正解というのはないだろう。