田代氏が続ける。

「ソフトバンクの携帯電話事業はSBGに年間7千億〜9千億円もの収益をもたらし、これが銀行に対する信用の柱でした。
そのソフトバンクを切り離したことで、これまでのようには融資を望めなくなる可能性が高い。
また、アメリカをはじめ金利上昇の圧力が高まっているのは明らか。13兆円の借金があるSBGは年間5千億円近い巨額の利子を払い続けているが、金利が1%上がるだけで、1千億円を超えて利払いが増加する。
融資先がパンクしては元も子もないので、銀行は無理な回収はしませんが、これ以上は恐くて追加融資を控えざるを得ません」

 経済ジャーナリストの町田徹氏も懸念を示す。

「孫さんは“あくなき膨張主義”で事業を拡大してきましたが、ここに来てダイエーの末期に似た危うさを感じます。
ダイエーのビジネスモデルは、次々に不動産を購入して負債を積み上げながら、怒濤の勢いで出店攻勢をかけ、その利益で借金を返済するというもの。
結果、ダイエーはバブル崩壊の余波で倒産しました。借金頼りの商売は孫さんも同じ。むしろ、海外に投資している分だけリスクが高いと言えます」

 借金は「甲斐性」ではなく、「解消」すべきだろう。